TEDについて

日本でどれほど有名なのか詳しく知りませんが、ネット上の動画配信と公共性のことを考える際にいつも思い浮かぶサイトのひとつにTED(Technology Entertainment Design)があります。ここは元々、科学者から芸術家、起業家、政治家まで、超一流の思想家やアク…

「どローカルなジャーナリズム+ネット」は新聞の武器になる-2

最近取り上げた南カリフォルニアの山火事はほとんど沈静化したようですが、山火事による避難指示エリアや道路封鎖、避難所の場所などを刻々と更新し続けたLA TimesによるGoogle Mapsの地図には、いくつもの感謝のコメントが寄せられています。 一部を引用し…

追悼 忌野清志郎

今晩はずっと、亡くなった忌野清志郎さんのことを考えていました。曲を聴いたり、昨日の告別式についての記事を読んだり、テレビの追悼番組を見たり、ネットでいろんな情報を検索したりしながら。清志郎の死は各方面で反響を呼んでいるようですが、僕も彼の…

ネット配信と「国際化のパラドックス」

New York Timesの記事にちょっと気になることが書かれていました。"In Developing Countries, Web Grows Without Profit"という4/26付けの記事です。「FacebookやYoutubeなどはさまざまな国のユーザーに使われることによって世界的なブランドになった。でも…

「どローカルなジャーナリズム+ネット」は新聞の武器になる

「新聞は、伝統的な強みである取材力や記事の蓄積とウェブ上にふさわしい情報の"見せ方"を組み合わせることで良質なネット・コンテンツを生み出すことができるはずだ」というエントリーを以前に書きました(こちらを参照)。ここに「どローカルな視点」が加…

Disney-Hulu連合のインパクト

DisneyがHuluに参加することになったというニュース(昨日のエントリーを参照)はアメリカのメディア業界でも大きな話題になっていて、この件についての意見や分析がいろいろな記事やブログに載っています。それらを参考に、DisneyとHuluが手を結んだことが…

DisneyがHuluに参加

ひと月ほど前に、「DisneyがHuluに出資してコンテンツを提供する交渉が進んでいる」という話を書きましたが(こちら)、その交渉がまとまったようです。Disneyが、傘下のABC Enterprisesを通じてHuluに参加することになりました。HuluのCEO Jason Kilarによ…

ショート・フィルムとネット上のプロモーション活動

PHILIPSが自社の薄型テレビを宣伝するために流しているCMがちょっとした話題になっているようです。Adam Bergという人が監督した「Carousel」*1という2分ほどのショート・フィルムがそれです。Youtube上にもいくつか動画がアップされていますが、本家のPHIL…

Flashがテレビで見られるようになると

Adobeが、ラスベガスで開かれているアメリカの放送局の一大イベントNAB Showで、Flashの技術をネット対応テレビやセットトップボックスなどに組み込んでいくと発表しました(CNET Japan, New York Timesの記事などを参照)。Intel、Comcast、Disney Interacti…

Youtubeをめぐる2つの動き

Youtubeのビジネスとしてのポテンシャルを感じさせる2つの出来事が相次いで起こりました。まず、Youtubeが昨年の秋から始めていたテレビ番組などの配信を大幅に拡充するという動き。Cnet Japanの記事によると、Youtubeは新たにSony PicturesやLionsgate,MGM…

NYTのInteractive Graphics

先日、New York Timesのウェブサイトにあるグラフが新聞社の取材力とデザイン性を兼ね備えたネットならではのプレゼンテーションになっているという話を書きました(こちら)。その際に取り上げたのはアメリカの映画の興行収入を潮の干満に見立てて表したグ…

Screen DigestがHuluの広告収入を下方修正

昨年11月に、Screen DigestのアナリストArash AmelがHuluの広告収入見通しを発表したというエントリーを書きました(こちら)。Huluの2009年の広告収入は、Youtubeのそれに並ぶ1.8億ドル程度になるだろうという予測です。でも、最近のBusiness Weekに出た記…

新聞業界が目指すべきウェブ・サービス

New York Timesのウェブサイトで、偶然面白い図表を見つけました。"The Ebb and Flow of Movies: Box Office Receipts 1986 ― 2008"と名付けられたものです。直訳すると「映画の満ち干き」。名前の通り、映画の興行収入を潮の干満になぞらえてグラフ化したも…

米国のケーブルテレビ業界が思い描くネット配信の姿-2

ここ1週間ほどの間に、New York Times("Some Online Shows Could Go Subscription-Only")とLos Angeles Times("Internet's role in cable TV debated")が相次いでケーブルテレビ業界の動画ネット配信についての記事を掲載したのをみて、この話題がアメリカ…

DisneyがHuluと出資交渉

Paid Contentの記事に、「ABCがHuluに番組を提供する代わりに資本参加する」という交渉をしているという話題が出ました(日本語ではCNET Japanの記事などを参照)。匿名の"事情に通じた情報源"からのネタということで、どちらかの会社が公式に認めたような話…

米国のケーブルテレビ業界が思い描くネット配信の姿

最近のエントリーで紹介したとおり(こちらとこちら)、HuluとBoxeeのいざこざに見られるようにアメリカの主流メディア、特にケーブルテレビ業界はネット配信されるコンテンツがテレビ画面で視聴できるようになることに強い警戒心を抱いています。有料のサブ…

経済危機と動画のネット配信ビジネス

Economistに、現在の経済危機がネット上のフリー・エコノミーに与える影響を分析する記事(The end of the free lunch―again)が出ていました。多少自分なりの解釈も込めて訳すと、大まかに次のようなことが書かれています。「現在の経済危機により、ウェブ上…

ネット配信とケーブルテレビ

日本では、広告収入の急減に見舞われている民放の厳しい状況と比較したJ-COMの好調さ*1がしばしば語られています。でも、アメリカでは少し事情が違います。地上波のテレビネットワークに向けられる広告費はアメリカでも減っていますが、最近は「ケーブルや衛…

Hulu 対 Boxee

少し前に、HuluがBoxeeやTV.comからのアクセスを遮断したこと(こちらを参照)を紹介しましたが、HuluとBoxeeの話にはその後日譚があります。前回のエントリーで紹介したような、3〜4か月ごとに月間のビデオ視聴が1億回ずつ増えていくというHuluの凄まじ…

HuluがYoutubeに次ぐ2番目のオンラインビデオサイトに

Ad Ageの記事を読んでいたら、Nielsen Online's Video Censusが取りまとめたアメリカのオンラインビデオ・サイトのトラフィック・ランキング(2月分)でHuluがYoutubeに次ぐ第2位になったと書かれていました。アメフトのスーパーボウルに広告を出したこと…

ネット上に無料の大学が

University of the People (UoP)という大学をご存知でしょうか。一見、共産圏の大学かと思ってしまいますが、アメリカで開校準備が進められている新しい大学です。日本語に訳すならば、「人民大学」ではなく「人々の大学」といったと名称になるかと思います…

「U2 3D」に見る3D映画の可能性

遅まきながら、日本でもこの週末からようやく映画「U2 3D」の上映が始まりました。この映画は、その名の通りロックバンドU2のライヴを3Dで映画化したものです。私見ですが、作りの丁寧さや3D映像の効果的な使い方といった点で、今の3D映画の最高峰をゆく作品…

eBayとYoutubeで個人版"ジャパネット高田"ができる?

最近、「昔(30〜40年ぐらい前)の二眼レフカメラ(こんなの)が欲しいな〜」と思いきりアナログなことを考えているのですが、二眼レフのカメラってどうやって使うんだ?とネットで調べていたらちょっと面白い動画をみつけました。こちらです。カメラ屋のジ…

シリコンバレーのリクルーターは「炭鉱のカナリア」である

ベンチャーから大企業までデジタル関連ビジネスの最前線を行く企業が立ち並ぶシリコンバレーでも、不況の嵐が吹き荒れています。アメリカのIT企業やメディア企業はものすごい勢いで人員削減を進めていますが(例えばTech Crunchの記事やPaid Contentを参照)…

Huluの「今後」を展望するためのヒント

前回取り上げた「HuluがTV.comやBoxeeからのアクセスを遮断した」という話題を伝えるPaid ContentやAdvertising Ageの記事に、Huluの今後を展望する上で興味深い内容があったので、紹介してみたいと思います*1。まず1点目は、「Huluの配信パートナー(Yahoo…

Huluに小さな向かい風?

昨年3月に本サービスを開始して以降、Huluはウナギ登りに利用者数を増やし、配信パートナーやコンテンツ提供パートナー、広告主を次々に獲得し、そしてまだ実現はしていませんが国際展開に向けた準備を進めるなど、極めて順調にビジネスを展開してきました…

ウェブ上でこんな「目利き」のサービスが欲しい

前回のエントリーではオンラインビデオの目利きサイト誕生という話題を取り上げましたが、この「オンラインビデオの目利き」について、前からこんなことができたら良いのになと考えていることがあります。エンターテインメント系のコンテンツではなく、より…

オンラインビデオの「目利きサイト」誕生

USA Todayの記事に、オンラインビデオの世界で面白い作品を見つけ出して紹介するガイド役を目指すサイトが新たに立ち上げられたというニュースが出ていました。eGuidersという会社がそれです(ウェブサイトはこちら)。「We search, You watch」というシンプ…

Netflixの加入者が1000万人を突破

Netflixの加入者が1000万人を突破したそうです。プレスリリースはこちらです。年明けからのひと月あまりで60万の会員増があったと書かれています。この不況下でも着実に業績を伸ばしていますし(Content Agendaによると、第4四半期の売上は前年比+19%)…

EconomistにHuluの記事

先週、EconomistのサイトにHuluの記事が出ました。こちらです。記事では、CEOのKilarに焦点をあてながら、立ち上げ前は評判が芳しくなかったHuluがいかにしてアメリカのメディア界から注目を集める存在になって行ったのかということをYoutubeやJoostなどと比…