大学が育てるウェブ上での学びの担い手

MITのOpen CourseWareからOpen UniversityやUniversity of the People、そしてKahn Academyなどに至るまで、ウェブ上での学びを促進する取り組みが多彩に広がりつつあります。例えば、Marc And Angel Hack Lifeというブログには、1年ほど前のエントリですが…

9月17日は「Playing for Change Day」

世界各地の音楽家たちが参加して一つの曲を奏でる、という手法で音楽を通じたつながりや絆に光を当ててきたPlaying for Change。バンドとしてはアルバムの発表と北米を中心としたツアーを活動の中心としてきましたが、一方で同名の財団を設立し、途上国や貧…

CBSとNetflixが番組の国際ストリーミング契約

Hollywood Reporterに、CBSとNetflixがコンテンツの国際ストリーミング契約を結んだという記事が出ていました。たまたまメールをチェックした際に目に飛び込んできたので、簡単に紹介します。CBS Corp., Netflix Sign International Streaming Content Deal…

TEDトークのウェブ公開から5周年

TEDはちょうど1週間前の6/27に、TEDトークをウェブで公開し始めてから5年が経ったと発表しました(TED Blogより)*1。当初は6つのスピーチで始まったウェブ上TEDトークも、今ではほぼ1,000に達し、またこの5年で合計5億回の視聴があったそうです。これま…

ネットと「縦方向」のつながり・再考

先月行われたTEDxTokyoに、運営スタッフの一員として参加しました。概要や当日の模様はGreenzやJapan Timesの記事(英語)でも紹介されていますが、スタッフとして参加しても非常に刺激的なイベントでした。1年ほど前にこのブログのエントリ(こちら)で「S…

TEDトークのオーディション

タイミング的にギリギリなので、あまり実用的な情報ではありませんが、TEDが公募による講演のオーディションを行うという面白い取り組みがあるので紹介します。TEDトークに新たな気づきや驚き、刺激を与えてくれるものが多いのは、TEDの運営者であるクリス・…

「ライブ」化する雑誌

ラジオ番組、アルジャジーラなどのニュースチャンネル、そしてUSTREAMなど、映像や音声を映像をナマで配信する「ライブストリーミング」は大分と一般的に行われるようになりました。でも今日紹介するのは、雑誌をナマで作ってしまおうという「ライブマガジン…

「コンテンツ」と「ディストリビューション」再考

このブログを始めて3年が経ちました。最初のエントリで書いたコンテンツとディストリビューションの関係を、今のタイミングでもう一度考え直してみたいなと、しばらく考えつつそのままにしていたのですが、この機会に取り上げてみたいと思います。「Content…

ボブ・マーリーと息子のステファンが共演する「Redemption Song」

音楽プロジェクトPlaying for Changeの活動が最近活発になっているようで、先日紹介した(こちら)「Imagine」に続く新録が発表されました。今回はボブ・マーリーの「Redemption Song」です。埋め込みが上手く行かないのでリンクを貼ります。http://playingf…

TED Booksを読んで感じたこと

前回紹介したTEDの電子書籍TED Books、購入した1冊を読み終わりました。読みながらこのTED Booksという取り組みについて感じたことを簡単に記します。まず、クリス・アンダーソンがTED Booksの特長であるとした「短さ」ですが、これは確かに斬新で、普通の…

TEDの電子書籍

TEDが電子書籍「TED Books」の刊行を発表しました。第一弾として、TEDカンファレンスにスピーカーとして登壇したことのある3人の、著作がAmazonのKindle Store上で刊行されています。タイトルは以下の通りです。「Homo Evolutis」 Juan Enriquez & Steve Gu…

New York Timesがたどるアップルの歴史

このブログで幾度か紹介したことがある、New York Timesのウェブサイトのインタラクティブな図表(こちらやこちら)。最近あまり興味を惹かれるものがないなと思っていたら、久しぶりに面白いものが出てきました。スティーブ・ジョブズを切り口にアップルの…

「Playing for Change」のローカライズ

世界各地のミュージシャンたちが曲を歌いつなぎ、音楽の力で世界を変えようという「Playing for Change」(関連エントリ)。ロジャー・リドリーやグランパ・エリオットなどが歌う「Stand By Me」などは日本でも大和証券グループのCMで流れていますが、最近…

ライヴストリーミングの広がりが持つインパクト

アーティストによる先進的なUstreamの利用が広がりつつあります。先月行われた宇多田ヒカルの公演のUstreamによる無料配信は大きな話題になりましたが、海外100の国・地域を含む34万5千のユニークユーザー、最大で10万以上の同時アクセス、計104万のページ・…

Playing for Changeの「Imagine」

世界中のミュージシャンたちが一つの曲を歌い継ぎ、音楽を通して人々をつなおうというプロジェクト「Playing for Change」。以前このブログでも紹介したことがありますし(こちらとこちら)、大和証券グループのCMに使われたりといったことでも知名度を上…

「I」と「You」と「We」のメディア

メディア系の製品やサービスでは、この5〜10年ほどの間に「I」や「You」といった名前を冠したものが大きな勢力を持つようになっています。製品やサービスの名前には、それに込められた思いやコンセプトが色濃く反映するものです。こうした「人称代名詞」とネ…

BoxeeがTEDの公式アプリを公開

今日はごく短いエントリですが、気になる話題があったので簡単に記します。BoxeeにTEDの公式アプリができた、という話題です。・TED Blog | Try the TED App on Boxee ・Boxee Blog | Have you met TED?BoxeeとTEDが共同で、Boxee上で「非常にシンプルでエレ…

放送大学が一部講義をネット公開へ

9/29付け日経新聞の片隅に、「放送大学が授業の一部をネットで無料配信する」という小さな記事がありました(ネット上ではスポーツ報知の記事が載っていました)。先日のエントリ(こちら)で放送大学とイギリスのOpen Universityを比較し、放送大学ももっと…

『ウェブで学ぶ』を読んで

梅田望夫・飯吉透著『ウェブで学ぶ−オープンエデュケーションと知の革命』を読みました。そこで紹介されている、「知と情報」をウェブ上で広く公開するための取り組みの数々に、止まらぬ高揚感を覚えました。ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の…

「Open Learning」と「Open Education」

直近の2回のエントリ(こちらとこちら)で、学びの場としてのネットについて取り上げましたが、その過程で気になり始めたことがあります。それは、「Open Learning」と「Open Education」という言葉についてです。これは、ネット上で学習の機会やリソースに…

ネット上での「学び」について-2

前回に続いて、ネット上での学び・高等教育について考えてみることにしました。University of the PeopleやTEDのような"新興勢力"だけでなく、昔からある伝統的な教育機関の中にも、ネットを利用しながら公共性の高い学びのプログラムを提供しているところが…

ネット上での「学び」について

ビル・ゲイツがカリフォルニアのTechonomyという会議で語った「ここ5年以内に、最高の教育リソースは無料でウェブ上に現れてくることになるでしょう」という言葉がちょっとした話題になっているようです。ゲイツの発言の要旨はTechCrunch Japanの記事(こち…

「The Times」紙のウェブサイト有料化に思うこと

前回はアメリカのHuluのことを取り上げましたが、イギリスでは新聞「The Times」がウェブサイトでの記事閲覧を有料化して2週間程度となりました。Paid Content UKの記事(こちら)によると*1、無料お試し期間に登録した人が15万人いて実際にお金を払う登録…

始まったHuluの有料版「Hulu Plus」

アメリカでHuluのサブスクリプション式有料サービス「Hulu Plus」のベータ版が立ちあがってから10日あまりが経ちました。レビューなども出始めてきたので、そのあたりも含めて少しまとめてみます。Huluによる発表(こちら)によると、「Hulu Plus」の概要…

「つぶやき」と新聞を融合させる試み

今日、出先でたまたま「RT」と左上に大きく書かれたタブロイド版の新聞のようなものを見かけて、これは何だろうと手に取りました。よく見てみたら、毎日新聞が明日(6/1)創刊する「毎日RT」の見本版(5/30版)でした。「毎日RT」は、毎日新聞のサイトに掲載さ…

PBSに見る視聴者とのエンゲージメント

アメリカの公共テレビPBSが、この春面白いキャンペーンをしていました。視聴者に呼び掛けて、PBSのオンラインでの取り組みをPRする30秒程度の動画を制作・応募してもらおうというものです。Your PBS Video Contest http://memelabs.com/pbs/テレビ局がネット…

最近のTEDトークより

先日はTEDのオープンTVプロジェクトについて書きましたが、今回は自分が最近見た日本語字幕付きのTEDトークの中から、このブログでも取り上げているような話題と関連していて面白いなと感じたものをいくつか紹介します。●ジョナサン・ジットレイン「親切に支…

iPadとリアル世界のコミュニケーション

日本でもiPadの予約が開始されました。個人的にはすぐに購入するかしばらく様子を見るかまだ考えていたところなのですが、ボストン在住のジャーナリスト・菅谷明子さんのブログに書かれていたiPad体験記を読んで、ぐっと心が動かされました。Harvard Square …

TEDのオープンTVプロジェクト

昨年このブログでTEDのことを書いてから(こちら)、間もなく1年になります。元々好きだったTEDがユーザーによる有志のボランティア字幕翻訳を始めるということで、これは面白いと思って書いたエントリでしたが、その後オープン翻訳プロジェクトは大きく成…

夢と散りそうなHuluの国際展開

このところほとんど話題に上ぼることもなかったHuluの国際展開ですが、かなり実現が厳しくなってきています。国際展開の第一歩になるだろうと見られていたイギリスで、Telegraph紙が"Hulu 'abandons UK plans' after broadcaster talks collapse"という記事…