eBayとYoutubeで個人版"ジャパネット高田"ができる?

最近、「昔(30〜40年ぐらい前)の二眼レフカメラこんなの)が欲しいな〜」と思いきりアナログなことを考えているのですが、二眼レフのカメラってどうやって使うんだ?とネットで調べていたらちょっと面白い動画をみつけました。こちらです。

カメラ屋のジョンさんが、自分がeBayに出品しているカメラを「写真だけじゃわからないところもあるから」とビデオに映して紹介し、自らも出演して「こんなにきれいでしょ」とPRする、言わば"ジャパネット高田"風の動画です。素人が制作したシンプルなビデオですが、個人売買のネットオークションと、Youtubeを通じた顔出し商品PRを組み合わせたところが面白いなと感じました。

ネットオークションには実物を手にとって確かめられないというリスクがありますが、特に古いカメラなどの場合はその点が大きなマイナス要因になります。eBayには膨大なクラシックカメラが出品されていて探す際には非常に便利なのですが、こうしたものはある程度値も張るし状態も物によって大きく違うので、なかなか実物を見ずに買うのは勇気が要るのです。文章の説明や掲載されている写真、これまでの出品者の評価、そして質問に対する返答の仕方や内容などを通じて、最終的には「この人は信じられる人かどうか」という点が買うかどうかを決めるポイントになったりします。

そんな際に、この顔出し動画PRというのは意外と効果が高いのではないか、という気がするのです。もちろんカメラ自体も映して紹介されていますが、そこからわかるのはボディの綺麗さぐらいで、例えばレンズに傷がないかどうかとか、シャッターはちゃんと切れるのかといったことはこの動画ではわかりません。でも、売り手がきちんと顔を出して自信を持って「これは状態の良いカメラで、レンズの状態も完璧だ」と説明していると、何だか説得力があるように感じてしまうのです。もし同じようなカメラで同じような値段がついているものが2つeBayに出品されていて、片方がオーソドックスなテキスト+写真のみの説明、もう片方はそれに加えてYoutube上で感じの良い動画*1を使ってPRされていたとしたら、僕は間違いなく後者に入札するでしょう。

ジョンさんの場合、eBayからYoutubeへの動線はあってもその逆を作っていないのがちょっと残念です。Youtube上には彼のeBayのオークションにすぐ行けるようなリンクだとかURLの紹介がないので、僕みたいにYoutubeの動画をたまたま先に見てしまった人は、そこで興味を持ったとしてもeBayの該当ページに行けないのです*2。常に何かを売りに出しているような人の場合は、Youtube上のプロフィールかもしくは動画の最後にでも「このURLに来れば自分の出品しているいろんな商品が見られます」という告知をすると良いかもしれません。

とはいえ、eBayとYoutubeを組み合わせて自分の商品をPRするというだけでもかなり優れたアイデアだと思います*3Youtubeの動画は、誰にでも見てもらいたいというオープンなものと、子どものビデオをおじいちゃん・おばあちゃんに送るといったクローズドなものに大別できますが、今日取り上げたようなビデオは「誰でも見れるけど、本当のターゲットはeBayで商品に興味を持ったごく限られた人」というものなので、そのどちらともちょっと違っています。極めてニッチだけど、ターゲット層にはとても強い訴求力を持っているのです。eBayやYoutubeなどのネットサービスは、アイデア次第で個人のポテンシャルを広げるインフラとしてまだまだいろんな使い道があるんだなと思うと、ちょっと嬉しくなります。

*1:動画の質が高いかどうかということではなくて。

*2:試しにeBayでこのカメラを検索してみましたが、ジョンさんが出品したものはありませんでした。もう売れてしまったのかもしれません。

*3:日本人の場合は自分が顔を出してPRすることに抵抗を感じる人が多いような気もしますが。