イギリス

ネット上での「学び」について-2

前回に続いて、ネット上での学び・高等教育について考えてみることにしました。University of the PeopleやTEDのような"新興勢力"だけでなく、昔からある伝統的な教育機関の中にも、ネットを利用しながら公共性の高い学びのプログラムを提供しているところが…

「The Times」紙のウェブサイト有料化に思うこと

前回はアメリカのHuluのことを取り上げましたが、イギリスでは新聞「The Times」がウェブサイトでの記事閲覧を有料化して2週間程度となりました。Paid Content UKの記事(こちら)によると*1、無料お試し期間に登録した人が15万人いて実際にお金を払う登録…

夢と散りそうなHuluの国際展開

このところほとんど話題に上ぼることもなかったHuluの国際展開ですが、かなり実現が厳しくなってきています。国際展開の第一歩になるだろうと見られていたイギリスで、Telegraph紙が"Hulu 'abandons UK plans' after broadcaster talks collapse"という記事…

発想とセンスが広げるネット・コンテンツの可能性

アジアやアメリカ、ヨーロッパなど各地で猛烈な寒気に襲われているようですが、BBCはイギリスに降った大雪の模様やその中での人々の暮らしを「Audio slideshow: 24 hours of snow」というスライドショーに仕上げてウェブサイトで公開しています(こちら)。…

読んで楽しむウィンブルドン中継

テニスのウィンブルドン選手権が開催されているイギリスでは、BBCがテレビやラジオでの放送に加えてウェブサイトで「文字のみ」による大会中継を行っています。試合経過や会場の様子が観戦リポートのような形で数分おきに次々テキストで更新されるという中継…

ネットならではの報道コンテンツとは-3

BBCのニュース・サイトでもう一つ印象的なのが、テレビ局のウェブサイトであるにも関わらず、「写真」を非常に重視していることです。もちろん動画のニュースクリップもたくさんあるのですが、BBCのウェブサイトには「In Pictures」というコーナーが設けられ…

ネットならではの報道コンテンツとは-2

(前回からの続きです)BBCの取り組みとしてまず紹介したいのが、先日のインドでの総選挙の報道におけるウェブサイトの使い方です。BBCは、総選挙に向けて3週間近くもインド国内で「選挙列車」を走らせて各地のニュースを集めるという非常に大規模な取材体…

ネットならではの報道コンテンツとは-1

ニュースを扱うウェブサイトの成否は、取材力に加えて記事(アーカイブ的なものを含む)の見せ方にも大きくかかっていると僕は思っています。その観点から、新聞社のサイトはSNS機能や動画ニュースの配信に力を入れ過ぎるよりは自らの強みをより発揮できるよ…

Kangarooに退場宣告

BBC(の営利子会社BBC Worldwide)、ITV、Channel4というイギリスの地上波テレビの強者連合が共同で設立準備を進めていた番組ネット配信のジョイントベンチャーProject Kangarooに、独禁法に触れる疑いがあるとして当局が調査に乗り出したという話は何度かこの…

BBCがデジタル時代に描くビジョン(補足)

先月、BBCのデジタルビジョンについてのエントリーを2本かきましたが(こちらとこちら)、その補足になりそうなネタがPaid Content UKに出ていたので紹介します。その記事では、BBCがデジタル時代のインタラクティブなテレビとして昨年9月のコンフェレンスで…

BBCがデジタル時代に描くビジョン-2

少し間が空いてしまいましたが、先日の「BBCのデジタルビジョン」に関する話の続きです。前回取り上げたように、BBCがデジタル時代に向けた戦略としてまず打ち出したのは「コンテンツのマルチ・プラットフォーム対応」戦略で、それが具体化したサービスがiPl…

BBCがデジタル時代に描くビジョン-1

インターネットや携帯の急速な普及などによって激しく変化しているメディア環境の中でテレビや新聞といった伝統的なマスメディアが生き残っていくためには、会社のトップの役割が極めて重要になります。彼らが描く自社の将来像と、そのビジョンの実現に向け…

BBCが描くネット上の国際戦略

先週、BBCの番組が日本でネット配信されるようになったという報道がありました。日本で映像のネット配信プラットフォームを運営するビデックスのサイト上で有料のダウンロード型レンタルを行うんだそうです(ビデックスによるプレス・リリース)。配信される…

Kangarooが抱える課題

前回のエントリーで紹介したように、イギリスで立ち上げの準備が進められている番組のネット配信プラットフォーム「Project Kangaroo」に対して当局から「あまりに独占的な力を持ちすぎて競争を阻害する」という裁定が下りました。これに対してイギリス国内…

Kangarooに降りかかったさらなる難題

企業間の自由な競争を妨げる恐れがあるとして当局からの調査が入っていたイギリスの地上波テレビ局連合(BBC, ITV, Channel 4)によるネット配信プラットフォームProject Kangaroo (仮称)ですが、イギリスの競争委員会(Competition Commission)が結論を出しま…

Kangarooに目指してほしいビジネスモデル

昨日書いたように、BBCから鳴り物入りで移籍してきたCEOのAshley Highfieldが半年も経たないうちに退任してしまったイギリスのオンライン映像配信プラットフォームKangaroo(現在立ち上げ準備中)ですが、先月HighfieldがフランスのMIPCOMに出席した際に(当…

人材の流動性から見るオールド・メディアのネット配信

つい先日のPaid Content UKに、Ashley HighfieldがProject Kangaroo*1からマイクロソフトに移籍するという記事が出ていました。え?Highfieldの今の役職は、Project KangarooのCEOです。しかも、今年の夏に就任したばかり。その前は、BBCのデジタル戦略を統…

英米のオンラインビデオサイト・ランキング

ウェブサイトのトラフィックなどを測定する調査会社comScoreのプレスリリース・ページにはいろいろと面白いデータが載っています。その中で、アメリカとイギリスのオンラインビデオサイトの人気を比較できそうなものがあったので紹介します。動画コンテンツ…

BBCが目指す番組情報のワンストップ・プラットフォーム

BBCは、自社の全ての番組の情報を網羅するBBC Programmesというページの開発を進めています(現在はベータ版として公開されています)、ここは非常にすっきりとして見やすいサイトの中に、驚くほど充実した番組関連情報(メタデータ)が詰め込まれています。…

BBCの五輪オンライン配信総括

北京五輪が終わって間もなくひと月になりますが、BBCの公式ブログに五輪のオンライン配信に関する統計的なデータを発表するエントリーが載りました。主なデータは以下のとおりです。○オリンピック中、総計でおよそ5000万回のストリーミング映像を流した (1…

BBC.comの広告募集サイト

この数年間、イギリスでは「BBCの海外向けウェブサイトに広告を載せるかどうか」という議論が続いていました。BBCの立場からすると、アクセスの半分以上は海外から来るのにイギリス国内の視聴者から得られる受信料でサービスの経費を賄うのはおかしいという…

イギリスのオンラインVODの評判

映像のオンライン配信というとどうしてもアメリカの事例が中心になりますが、イギリスでのインターネットTVに関する調査が「Think Box」というマーケティング会社のウェブサイトに載っていました。イギリスの地上波テレビは、BBCに加えてITV(民放の雄)、Cha…

オンライン配信と公正競争

イギリスで準備が進められているテレビ番組のオンライン配信プラットフォーム「Kangaroo(カンガルー・仮称)」ですが、早ければ今年の夏、遅くとも年内中にサービスを開始したいという当初の予定が遅れてしまいそうな状況になっています(Paid Contentの記事…