イギリスのオンラインVODの評判

映像のオンライン配信というとどうしてもアメリカの事例が中心になりますが、イギリスでのインターネットTVに関する調査が「Think Box」というマーケティング会社のウェブサイトに載っていました。

イギリスの地上波テレビは、BBCに加えてITV(民放の雄)、Channel4(広告で運営される非営利の放送局)、Five(最後発の弱小局)があります。Fiveは、あまり注目されていない局なので、実質的には地上波のことを考えるときにはBBCITV、Channel4を比較すればよいと思います。

この中ではBBCのiPlayerが圧倒的な存在感を持っているのかと思っていましたが、調査結果を見る限りはそんなこともなさそうです。「過去12ヶ月間に、どのサイトで映像コンテンツをストリーム/ダウンロード視聴したか」という質問ではYoutube(50%)が圧倒的だったことを除けば、地上波の主要3局はほとんど結果が変わりませんでした(BBC:36%、ITV:36%、Channel4: 32%)。また、「視聴体験がもっとも優れていたサイトは?」という質問に対しては、Channel4が唯一80%を越える数値の評価を得ていて、続いてITVの70%強、BBCは60%台半ば(Youtubeよりも数%よい程度)という結果になっていました。

日本からではこれらのサイトを直接見ることが出来ないので、なぜそういう結果になったのかを実際に比べてみることはできません(僕は2006年秋から2007年7月までロンドンで過ごしたのでいずれのサービスも自分で使ったことがありますが、その後BBCのiPlayerがストリーミングにも対応するようになったりしているので、今の時点で各社がどのようなインターフェイスで、どんな番組を提供しているのかはよくわかりません)。でも、BBCは提供している番組が圧倒的に多いことや、無料でしかもCMが入らないという形でオンライン配信を行っていることを考えれば、BBCのサービスがきっと利用者も多いし評判もいいのだろうと思っていました。その分、この結果を見てちょっと意外に感じました。受信料を取られている分BBCのサービスへの評価が厳しくなるといった傾向はあるのかもしれませんが、イギリスではChannel4やITVといったほかの局もオンライン配信で健闘しているんですね。