ジャーナリズム

「The Times」紙のウェブサイト有料化に思うこと

前回はアメリカのHuluのことを取り上げましたが、イギリスでは新聞「The Times」がウェブサイトでの記事閲覧を有料化して2週間程度となりました。Paid Content UKの記事(こちら)によると*1、無料お試し期間に登録した人が15万人いて実際にお金を払う登録…

「つぶやき」と新聞を融合させる試み

今日、出先でたまたま「RT」と左上に大きく書かれたタブロイド版の新聞のようなものを見かけて、これは何だろうと手に取りました。よく見てみたら、毎日新聞が明日(6/1)創刊する「毎日RT」の見本版(5/30版)でした。「毎日RT」は、毎日新聞のサイトに掲載さ…

PBSの「Digital Nation」

前回に続いて番組のことを書きますが、先日アメリカの公共テレビPBSのドキュメンタリー「FRONTLINE」で放送されたた"digital_nation: life on the digital frontier"を紹介します。このエピソードを見て、いろいろと考えさせられることがありました。こち…

「60 Minutes」に見るテレビ・ジャーナリズムの極意

アメリカを代表する報道番組であるCBSの「60 Minutes」で、番組の創設者であり名物プロデューサーでもあったドン・ヒューイット(2009年夏に逝去)の功績を振り返る特集"60 MINUTES Presents: a Tribute to Don Hewitt." が最近放送されました。すごくいい番…

双方向性を生かした「誘う」図表

これまでに幾度か、New York Timesのウェブサイトにある「Interactive Graphic」という随時企画の図表を紹介したことがあります(関連エントリ1、2)。情報を整理して経年変化やグループごとの違いなどが直感的に把握できるように作成された、オンライン・…

「公共新聞」の可能性

先日の日経新聞に、アメリカ議会などで検討が始まっている新聞社への支援策についての記事が出ていました(6/9付け「米新聞社に救済論浮上」)*1。このあたりの議論にはあまり詳しくないのですが、経営支援に向けた検討課題として、税制優遇策の導入に加えて非…

ネットならではの報道コンテンツとは-3

BBCのニュース・サイトでもう一つ印象的なのが、テレビ局のウェブサイトであるにも関わらず、「写真」を非常に重視していることです。もちろん動画のニュースクリップもたくさんあるのですが、BBCのウェブサイトには「In Pictures」というコーナーが設けられ…

ネットならではの報道コンテンツとは-2

(前回からの続きです)BBCの取り組みとしてまず紹介したいのが、先日のインドでの総選挙の報道におけるウェブサイトの使い方です。BBCは、総選挙に向けて3週間近くもインド国内で「選挙列車」を走らせて各地のニュースを集めるという非常に大規模な取材体…

ネットならではの報道コンテンツとは-1

ニュースを扱うウェブサイトの成否は、取材力に加えて記事(アーカイブ的なものを含む)の見せ方にも大きくかかっていると僕は思っています。その観点から、新聞社のサイトはSNS機能や動画ニュースの配信に力を入れ過ぎるよりは自らの強みをより発揮できるよ…