BBCがデジタル時代に描くビジョン(補足)

先月、BBCのデジタルビジョンについてのエントリーを2本かきましたが(こちらこちら)、その補足になりそうなネタがPaid Content UKに出ていたので紹介します。

その記事では、BBCがデジタル時代のインタラクティブなテレビとして昨年9月のコンフェレンスで発表した次世代サービスのデモ映像がYoutubeにアップされたということが紹介されていました。昨年9月時点のコンセプトということで、最近イギリスで話題になっている「Project Canvas」(関連エントリー)と直接関係があるかどうはか定かであはありません。とはいえ、BBCがテレビの将来像としてこんな姿を思い描いているということを知るという意味では興味深いものです。

Youtube上のクリップはこちらで視聴できます。ニュースや天気予報などをオンデマンドで呼び出せると言えば日本のテレビの「データ放送」を思い起こしますが、電波ではなくIPで送信している点、動画も視聴できる点、写真を見たりお気に入りの番組を友人に知らせたりする機能があるといったソーシャル・メディア的な機能がある点が違いでしょうか。

デモを見る限り反応は速そうでしたが(もちろん、実際にどうなるのかはわかりませんが)、コンフェレンスでのデモ動画を短く編集してアップしているのか、もしくは会場での音声説明なしに動画だけを見させられているからか、このクリップを見るだけだとかなり「ブツ切れ感」があります。もしかしたら、使う人が思いつくままに欲しい情報を得ることができるということを強調したいのかもしれませんが、どういう文脈でどんなサービスが利用できるのかという点がよくわからないクリップになっているのが残念です。

ともあれ、テレビの受像機を通したネット接続というのが(うまく普及するかは別にして)これから益々大きな話題になっていくのは間違いないでしょう。ラスベガスの家電見本市(CES)では、東芝パナソニックなどの家電メーカーとAmazonYoutube, Netflixなどのネット企業が手を組んでテレビで利用できるネット・サービスの充実を図っていますが(日経新聞の関連記事)、BBCのデモ画像は、そうした状況にテレビ局の側から対応していこうとする取り組みのひとつのとして注目できそうです。