BBCの五輪オンライン配信総括

北京五輪が終わって間もなくひと月になりますが、BBCの公式ブログに五輪のオンライン配信に関する統計的なデータを発表するエントリーが載りました。主なデータは以下のとおりです。

○オリンピック中、総計でおよそ5000万回のストリーミング映像を流した
 (1日平均300万ストリーミング、最も多い日で550万ストリーミング)
○ウェブ上で計970万分(約16万時間)近いオリンピックのビデオが視聴された
○ウェブ上の視聴者は、1日平均15分の生放送と3分20秒のオン・デマンド・クリップを視聴した
○イギリス国内からBBCのオリンピック・サイトを訪れた人のおよそ1/4が動画を視聴した
 (動画を視聴できるのは英国内からのアクセスのみ)

先日、アメリカのNBCが発表した同種の五輪ウェブ配信総括について紹介しましたが、そこではNBCのウェブ上での五輪動画ストリーミング(こちらはアメリカ国内向けです)が7550万回とされています。単純に比較できるのかどうかわかりませんが、それでもアメリカとイギリスの人口比(3億人対6000万人)を考えると、BBCの五輪配信は凄まじい人気だったと言えそうです。

今回の五輪ではBBCNBC、中国のCCTVが大々的にオンライン配信を行い、(CCTVの結果はわかりませんが)NBCBBCでは莫大な数の視聴者を獲得しました。NBCが五輪のオンライン配信から得たCM収入は600万ドル弱と言われていますから(関連エントリー)、収益化という点ではまだまだ課題があります。でも、これだけ視聴されたという実績がある以上、問題はもう「五輪をウェブで流すかどうか」という段階にはありません。それは、商業放送の場合は「五輪のウェブ配信からいかにして収益を上げるか」、そしてBBCのような公共サービスにとっては「いかに公共サービスとして五輪のウェブ配信を発展させるか」という点にあります。今回の五輪で日本の民放が共同で立ち上げたgorin.jpでは、「1日2回の更新でハイライト動画を配信、大会期間中には合計200本以上の動画配信を予定」していましたが、どれほど視聴者を惹きつけることができたのか、知りたいところです。