スタバの「Love Project」

今年の春にイギリスのt-mobileトラファルガー広場に人々を集めてビートルズの「Hey Jude」を皆で歌うというPRイベントを行いました(関連エントリ)。音楽を使った一般参加型のキャンペーンという内容にすごく興味を惹かれましたが、今度はStarbucksが面白いことをやっています。

アフリカのエイズ対策を支援するキャンペーンの一環として行われている「Starbuck Love Project」です。公式サイトはこちらですが、まずはスタバの英語サイト(こちら)の動画を見るとコンセプトがより良くわかるかと思います*1

内容は、アメリカ東部時間の12/7朝8:30(もう過ぎていますが)に世界各地のミュージシャンが一斉にビートルズの「All You Need Is Love」を歌い、その模様が上記スタバのキャンペーンサイトでライブストリーミングされるというものです。また、一般の人々もLove Projectのサイトを通じてこの曲のサビの部分を自分で歌い、その模様を投稿することができます。そうして寄せられた動画もサイト上で合わせて公開され、投稿1件あたり5セントをスターバックスエイズ基金として寄付するという仕組みになっています。

ライヴイベントの部分は、外にいて見ることができませんでした。これを書いている段階で「間もなくリプレイが流れる」という告知はされていますがなかなか始まりません。でも、人々が投稿したサビの部分の動画はオンデマンドで見ることができます。ひとつひとつは数十秒程度の短いものですが、いろんな国のいろんな人たちが口ずさむ「All You Need Is Love」のフレーズにはそれぞれ趣きがあって、しばし見入ってしまいました。

t-mobileのキャンペーンがウェブやテレビといったメディアと「広場に集まって合唱する」というリアルの世界を組み合わせた音楽イベントだったのに対し、こちらはウェブだけで完結するキャンペーンです。その分インパクトに欠けたのか、あるいは月曜の朝というタイミングが悪かったのか、現時点であまり一般の投稿者が多くないようなのが少し残念です。でも、ウェブ上で全てを行える分参加者の地理的な分布は比べ物にならないほど広くなっています。参加人数という点ではあまり大成功とはいえないキャンペーンなのかなという気もしますが、ウェブを使ってグローバルなつながりをダイレクトに感じさせてくれるこうした試みというのはもっと増えてもいいなと思います。

ただ、こうしたことを行うのであれば、特にスタバのような世界各地に展開する企業が行うのであれば、その周知の方法はもう少し考える余地があるかもしれません。少なくとも今スタバの日本語サイト(http://www.starbucks.co.jp/)を訪れた感じでは、このイベントは何も告知されていないように見えます。また、Love Projectのページは英語表記しかありません。イベントの内容を見る限り、これは「世界」を対象にしているはずです。コンセプトと実践の間にずれを感じるのです。そのあたりの連携が上手く取れていれば、もっともっと盛り上がったイベントになったのではないかという気がします。

*1:いつまでこの動画がトップページに掲載されているのかはわかりませんが。