Youtubeに字幕表示機能

Youtubeに字幕を付加できる機能が追加されたそうです(CNET Japanの記事)。オンラインの動画配信でも字幕が見られるようになればいいのになとずっと思っていたので、これはとても嬉しい機能です。

アメリカでもイギリスでも、大半のテレビ番組はClosed Captioning(字幕)に対応していて、リモコン操作ひとつで字幕を呼び出すことができます。留学中に実感しましたが、これは、英語力が万全でない人間がテレビを見るときには内容理解とリスニングの練習をともに手助けしてくれるとてもありがたい機能なのです。オンラインの世界でも、Huluがこの夏からはClosed Captioningを取り入れました。個人設定として「字幕に対応しているコンテンツを視聴するときには自動的に字幕を表示する」ということも可能になっています(Huluのblogより。8/9のエントリーを参照)。

オンライン配信される動画に字幕がつくといいなと思っていたもうひとつの理由は、それがコンテンツのリーチを大きく広げる可能性を持っているからです。インターネットはグローバルなメディアですから、意図的にアクセスをブロックしない限りはネットの接続環境さえ整っている場所であればどこからでもコンテンツを視聴できます。でも、視聴できたとしてもそのコンテンツを理解できるかどうか、楽しめるかどうかのもう一つの壁になるのが言語の問題です。例えばHuluは、現時点ではアメリカ国内のみに向けたサービスで、字幕も英語しかありません。とても革新的なサービスであることは間違いありませんが、グローバルという観点から言うと地理的にも、言語の面でもサービスを限定していることになります。

一方、今回Youtubeに備わったのは「複数の言語で字幕を提供できる」機能です。Youtubeは基本的に自国外からのアクセスを弾くといったことをしていないオープンなプラットフォームですから、ここに多言語での字幕が付加されるようになれば、地理的にも、言語面でも開かれたサービスを提供することにつながります。これは、動画のオンライン配信の可能性を広げる大きな前進だと個人的には感じます。

もちろん、複数言語で字幕をつけられるといっても、コンテンツの提供者がそれを準備しなくてはいけないので、対応できる人や組織は限られるでしょう。でも、日本語・スペイン語・イタリア語・ドイツ語・そしてフランス語から選んで字幕をつけることが出来るBBCのTop Gear(どうせなら英語の字幕も欲しかったところですが)のクリップを見たとき、「ネット上の動画もここまで来たんだな」と素直に感激してしまいました。

その動画はこちらから見ることが出来ます(http://jp.youtube.com/watch?v=XraeBDMm2PM)。ブログなどに埋め込んだ動画では字幕機能が働かないそうなので、リンク先だけを載せています。画面右下の「上向き△」の部分にカーソルを合わせると「CC」という表記が出てきて字幕を選択することができます。