ワーナーがオンライン配信プラットフォームを設立
ワーナー・ブラザーズが、アメリカでテレビ番組の無料オンライン配信を行うプラットフォームを今日オープンさせるそうです(Tech Crunchの記事)。名前はTheWB.com。ワーナーは、アメリカで映画スタジオとテレビ局の統合が可能になった90年代半ばにThe WB Television Networkという新たなテレビのネットワークを立ち上げて既存の4大ネット(ABC, CBS, NBC, FOX)に対抗しようとして失敗しました。今回の取り組みは、同じ名前を冠して今度はネット上で番組配信をしようというものです。明らかになっているところでは、Friends, Velonica Mars, The O.C., Roswellといった番組がラインナップに含まれているそうです。ちなみに、テレビのWB Networkは、同じく95年にバイアコムが設立したUPNというTVネットワーク(こちらもコンテンツ・ホルダーの立場からテレビ業界に参入しようという同じ狙いを持っていましたが、同じように失敗に終わりました)と合併して、現在はThe CW Television Networkとして活動しています。
アメリカの4大ネットワークはいずれも自社のウェブサイトでテレビ番組のオンライン配信を行っていますし、いろいろなところからコンテンツを集めて提供するプラットフォームとしてはHuluがあります。WB.comは自社のコンテンツに加えて外部の番組も提供するそうですから、Huluとまともにぶつかることになるでしょう。
WB.comの特徴としては、
○テレビ番組に加えて、ウェブ用に制作されたミニ・ドラマなどにも力を入れる(Sorority Foreverなど)
○アップされている番組内の会話などを自動でインデックス化し、動画検索の質を高めている
(会話内で使われた単語やフレーズなどをもとにした検索ができる)
○番組本編を短い時間に区切った「かけら(portion)」をユーザーがマッシュ・アップできる
といった点が挙げられています。
実際に自分で試したわけではないので、使いやすさなども含めたHuluとの比較などはできませんが、これらの特徴だけを読む限りではちょっとパワー不足なのではないかという感じを受けます。さて、どの程度ユーザーを惹きつけることができるでしょうか。
<追記>
TheWB.comの立ち上げに関するいくつかの記事が新たに出てきたので、リンク先を記します。
"Hulu Jr? Warner Bros. Launches TheWB.com" (Silicon Alley Insider)
"TheWB.com Goes Live To The Public: And, No, Not Interested In Going Back To TV" (Paid Content)