オバマからのウィークリー・メッセージ

アメリカの大統領は毎週末に国民に向けたラジオ演説を行うのが慣例でしたが、次期大統領となるバラク・オバマはその演説をYoutubeなどの動画サイトでも視聴できるようにするという方針を打ち出しました(関連エントリー)。大統領に就任してから始めるのかなと思っていましたが、もうすでに行っているようで、「Your Weekly Address from the President-Elect」(次期大統領からの毎週の演説)というタイトルがつけられてYoutubeなどで公開されています。

椅子に座ったオバマが一人でカメラに向かって語りかけるというスタイルのもので、ゴスペルで説法を行う牧師のように観客を熱狂させる様子が印象的だった選挙戦の時とは少し違ったオバマの姿を見ることができます。勝手な推測ですが、選挙中はその場に居合わせた観客のテンションがテレビやパソコンのスクリーンを通して家庭の中にまで入り込み、それがいっそう"オバマ熱"を高めることになったのかななんて感じてしまいました。

最新の演説は12月6日(土)のものです。ここで、オバマは公的機関の建物の環境効率を高める、学校教育の強化といった方針とともに「情報スーパーハイウェイを更新する」とも発言しています。曰く、

ブロードバンド環境でアメリカが世界15位でしかないのは受け入れがたい。インターネットを発明した国であるアメリカ絵は、すべての子どもたちがオンラインに接続できる機会を与えられるべきだ。そしてその機会は、私が大統領である間に訪れる。なぜならば、それこそがアメリカの競争力を高めることにつながるからだ。

更新するといってもその具体的な内容はよくわかりませんが、アメリカではブロードバンドなどネット接続のインフラ整備が遅れていること、また特に公立の学校教育のレベルが低下していることが度々指摘されています。情報スーパーハイウェイと言えばクリントン政権時代に副大統領のアル・ゴアが提唱した構想ですが(ウィキペディアによれば多額の予算がかかるため当初の政府案は途中で頓挫したとありますが…)、今回のオバマの演説を見ても、また政権にCTOの役職を作るという計画を見ても、オバマ政権はかなりICTを重視することになるのかもしれないなと感じます。