NBCの視聴者調査

NBCが昨年7月に発表した「Full Episode Streaming」というリポート(PDF)があります。視聴者がストリーミングでオンライン配信されるテレビ番組をどのように利用しているのかを調査した資料です。書かれているのはもちろん英語ですが、パワーポイントの資料をPDF化したようなものなので、文章を読むというよりは調査結果を表したグラフやテーブルの数字を読み取っていく感じです。ぱっと見ただけでどこが重要なのかがすぐにわかる作りになっています。

ここで強調されているのは次のようなポイントです。
○40%のインターネットユーザーが、ネットワーク局のウェブサイトで番組のストリーム配信を行っていることを知っている。
○インターネットユーザーの5人に1人がオンラインで番組のストリーミング視聴をしたことがある
NBCの番組を視聴する人の半数が、番組がNBCのウェブサイトでも視聴できることを知っている
○月に6回以上ストリーミング視聴するユーザーの数が、2006年の第四四半期から2007年の第一四半期の間に15%→21%まで増加している
○視聴の動機(複数選択可)ではキャッチアップ視聴(87%)が一番高いものの、これまでに見たことのない番組を見る(35%)、テレビで1度見た番組をもう一度見る(30%)人もかなりの数が存在する
○利用者は、18〜34歳の男性が多い

以前のエントリーで紹介したSolution Research Groupのリポート(アメリカ人のインターネット人口の43%がテレビ番組をオンライン視聴した経験がある、とする2008年2月発表の報告)に比べるとオンラインでの視聴者数は若干控えめになっていますが、それでも番組のネット配信はかなり多くの人に認知されていることが伺えます。

あと興味深いのは、ヘビーユーザーの数が増えていること(他の報告や新聞記事でも、ネット上で配信される番組の視聴体験はヘビーユーザーとそれ以外の人で大きく頻度が異なるという指摘がされています)、そしてネット配信がすでにつかまえている視聴者にタイムシフト視聴の場として利用されているだけではなく、新しい視聴者を獲得する手段(テレビで見たことのない番組をオンラインで見る)、さらに視聴者と番組との結びつきを強める手段(テレビで見たエピソードを再びオンラインでも見る)としても利用されているというところでしょうか。オンラインVODのメリットは「見逃し視聴」だけではないことをこの調査報告は示しています。