番組のオンライン視聴が増加

きょうは別の話題を書くつもりでしたが、業界紙の「ハリウッド・リポーター」に番組のオンライン視聴についての記事が載っていたのでそれを紹介します。話の出所はSolution Research Groupというカナダのトロントに本拠を置くコンサル会社が行った調査です(プレスリリース:http://www.srgnet.com/pdf/Prime%20Time%20is%20%20Anytime%20-%20February%204%202008.pdf)。

その調査によると、アメリカではテレビ番組をオンラインで見るという人の数が急速に増えているそうです。1150人のアメリカ人を対象に行ったという調査結果の内容を一部紹介すると、

○8000万人近くのアメリカ人が、好きなテレビ番組をオンラインで見たことがある
  →1年前の調査と比べて+25%
○20%のアメリカ人が毎週テレビ番組をウェブ上で見ている
  →ケーブルテレビが提供するVODを活用している人(14%)を上回っている
○特定の番組を視聴するのが目的で放送局のウェブサイトを訪れるという人が21%いる
○ハードディスク・レコーダーなどのDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)とブロードバンド接続を備えた家庭では、タイムシフト視聴は主にDVRを使って行われている。DVRユーザーの65%が「いつも」コマーシャルをスキップしている。

といったことが書かれています。

この調査はYoutubeなどに不法アップロードされたコンテンツとテレビ局が自社サイトなどで提供する正当なコンテンツを区別していませんし、またウェブ上で番組を見ることによってテレビでの視聴行動にどんな影響が出ているのかということまではわかりません。でも、この調査はいくつかの重要なことを示唆しているように思えます。まず、テレビ局がウェブ上に番組を流せば、視聴者のニーズはあるということ。次に、ケーブルテレビが提供するVODと家庭にあるDVRが、オンラインでの番組配信と競合する関係にあること。そして、DVRを利用したCMスキップは、視聴者にとっては便利かもしれないけれど広告収入で成り立つ放送局にとっては頭の痛い問題であること、です。これらは、インターネットを通じた動画コンテンツの配信を考える上でキーとなるポイントです。これからのエントリーでも、また何度も出てくることになるはずです。