オンライン配信から進む番組のHD化

以前のエントリーCBSがハイビジョン映像のオンライン配信を試験し始めたという話を書きましたが、その後面白いことに気づきました。他のオンラインVODサイトでも同様のことが行われているのです。

例えば、Huluのトップページには「HD Gallery」というボタンが表示されていて、ここをクリックすると20本ほどの短いHDクリップ(各2分程度)が視聴できる画面に飛びます。HD画像を楽しむためには2.8Mbps以上の接続スピードとIntel Pentium 4 3GHz processor程度の性能を有するコンピューターが必要と但し書きに書いてあったのですが、僕の普通のB5パソコンでもちゃんと楽しむことができました。たしかに描写がずっときめ細かくなったように見えます。

また、ABCのVODサイトでも「HD Showcase」というコーナーがあり、そこでは「Desperate Housewives」や「Ugly Betty」などの人気ドラマをHD画像で提供しています(ショーケースという位置づけなので、各ドラマ1エピソードだけですが)。さらにABCのサイトでは、別の看板番組LOSTの全てのエピソードをHD画像で公開していることです。現在のシーズン4は通常画像版とHD版を両方、そしてシーズン1〜3についてはHDのみでの公開になっています。

通常、ネットワークが提供するオンラインVODでは、放送中のドラマのエピソードは直近の4,5回分しか公開されていないのが一般的です。それ以前の回が見たい場合は、iTunesで購入したり(こちらは取り揃えているエピソードの数がずっと充実しています)DVDを買ったりするしかないわけです(あるいは、海賊版でアップロードされているものを探すという手もありますが…)。それを、初回の放送からすべて無料で公開してしまうというのはかなり太っ腹な行為です。それだけ高画質の番組配信に対する期待が高いのでしょう。

アメリカでは、テレビのHD化はほとんど進んでいません。中にはHD専門のチャンネルなども出てきてはいますが、「デジタル化=ハイビジョン」という図式にはなっていません。こちらでは日本ほどブロードバンド回線の高速化が進んでいないことを考えても、インターネット上の動画配信がHDを推し進めているということは興味深く感じられます。