Playing for Change

昨日紹介した「Stand By Me」の音楽クリップは、Playing for Changeという団体が制作したものです。他にも、「One Love」などの素晴らしいクリップが公開されています(Youtube上の公式チャンネルはこちら)。

地球上のさまざまな場所にいるミュージシャンたちがあたかもひとつのセッションに同時に参加しているように見える作りがすごく印象的で、それぞれが自分自身の解釈を施しながらひとつの曲を歌い上げていく様が本当に楽しそうなのですが、Playing for Changeは世界中を音楽で結んで社会を変えていこうという運動です。

ウェブサイトから、紹介文を引用します。

Playing for Changeは、音楽を通じて人々をインスパイアし、結びつけ、世界を平和にすることを目指すマルチメディアの活動です。このプロジェクトのアイデアは、音楽にはさまざまな境界を打ち破り人々の間の距離を取り去る力があるという信念から生まれました。たとえ私たちの住む場所や、政治的・経済的・精神的またはイデオロギー上のバックグラウンドがどんなに違っていたとしても、音楽は普遍的な力でそれらを乗り越え、私たちをひとつにしてくれるのです。このことを固く心に刻み、それを世界の人々とシェアするのが私たちの目的です。

このコンセプトを掲げてMark Johnsonを始めとする撮影チームが2005年から3年かけて世界をまわり、各地で巡り合ったミュージシャンたちとセッションを重ねて撮り続けたプロジェクトの成果が、ここで紹介した「Stand By Me」であり、「One Love」なのです。

ほとんどの出演者は地元の無名ミュージシャンたちですが、Youtubeで1000万を超える動画でのアクセスがあったり、収録した楽曲をまとめたCDとDVDのセットがヒットしたり、Playing for Change Bandというバンドを結成して欧米でコンサートを行ったり*1と、着実に活動の幅を広げています。収益の一部は、同名の財団を通じて子どもたちに音楽を教える学校の設立などにも使われているそうです。

音楽性に魅了されたのとプロジェクトの趣旨に賛同したのとで、僕は今日さっそくCD/DVDを買ってきました。それを聴きながらこのエントリーを書いています。CDを買うのはかなり久しぶりで、しかもAmazonの配達を待つ時間が惜しくて直接レコード屋に行って探したりするのは数年振りかというぐらい僕にとっては珍しいことです。CDの売り上げはどんどん減っていると言いますが、ただ曲やミュージシャンをを売るだけでなく、広い意味での共感や参加感といった体験を与える対価としてお金をもらうというアプローチをすると、顧客の満足感も高まるし、新しいビジネスチャンスにもつながるのかもしれません。

*1:グラストンベリー・フェスティバルにも参加するそうです。