配信ビジネス

米国のケーブルテレビ業界が思い描くネット配信の姿-2

ここ1週間ほどの間に、New York Times("Some Online Shows Could Go Subscription-Only")とLos Angeles Times("Internet's role in cable TV debated")が相次いでケーブルテレビ業界の動画ネット配信についての記事を掲載したのをみて、この話題がアメリカ…

DisneyがHuluと出資交渉

Paid Contentの記事に、「ABCがHuluに番組を提供する代わりに資本参加する」という交渉をしているという話題が出ました(日本語ではCNET Japanの記事などを参照)。匿名の"事情に通じた情報源"からのネタということで、どちらかの会社が公式に認めたような話…

米国のケーブルテレビ業界が思い描くネット配信の姿

最近のエントリーで紹介したとおり(こちらとこちら)、HuluとBoxeeのいざこざに見られるようにアメリカの主流メディア、特にケーブルテレビ業界はネット配信されるコンテンツがテレビ画面で視聴できるようになることに強い警戒心を抱いています。有料のサブ…

経済危機と動画のネット配信ビジネス

Economistに、現在の経済危機がネット上のフリー・エコノミーに与える影響を分析する記事(The end of the free lunch―again)が出ていました。多少自分なりの解釈も込めて訳すと、大まかに次のようなことが書かれています。「現在の経済危機により、ウェブ上…

ネット配信とケーブルテレビ

日本では、広告収入の急減に見舞われている民放の厳しい状況と比較したJ-COMの好調さ*1がしばしば語られています。でも、アメリカでは少し事情が違います。地上波のテレビネットワークに向けられる広告費はアメリカでも減っていますが、最近は「ケーブルや衛…

Hulu 対 Boxee

少し前に、HuluがBoxeeやTV.comからのアクセスを遮断したこと(こちらを参照)を紹介しましたが、HuluとBoxeeの話にはその後日譚があります。前回のエントリーで紹介したような、3〜4か月ごとに月間のビデオ視聴が1億回ずつ増えていくというHuluの凄まじ…

Huluの「今後」を展望するためのヒント

前回取り上げた「HuluがTV.comやBoxeeからのアクセスを遮断した」という話題を伝えるPaid ContentやAdvertising Ageの記事に、Huluの今後を展望する上で興味深い内容があったので、紹介してみたいと思います*1。まず1点目は、「Huluの配信パートナー(Yahoo…

Huluに小さな向かい風?

昨年3月に本サービスを開始して以降、Huluはウナギ登りに利用者数を増やし、配信パートナーやコンテンツ提供パートナー、広告主を次々に獲得し、そしてまだ実現はしていませんが国際展開に向けた準備を進めるなど、極めて順調にビジネスを展開してきました…

Netflixの加入者が1000万人を突破

Netflixの加入者が1000万人を突破したそうです。プレスリリースはこちらです。年明けからのひと月あまりで60万の会員増があったと書かれています。この不況下でも着実に業績を伸ばしていますし(Content Agendaによると、第4四半期の売上は前年比+19%)…

EconomistにHuluの記事

先週、EconomistのサイトにHuluの記事が出ました。こちらです。記事では、CEOのKilarに焦点をあてながら、立ち上げ前は評判が芳しくなかったHuluがいかにしてアメリカのメディア界から注目を集める存在になって行ったのかということをYoutubeやJoostなどと比…

日本でもネット配信本格化の兆し

この1週間ほど、日本のテレビ局によるネット配信の話題を多く耳にしました。まず気になったのが、TBSがプライムタイムに放送したドラマやバラエティ番組を無料でネット配信するという話(TBSによるプレス・リリースはこちら)。とりあえずは今月初めから3月…

Kangarooに退場宣告

BBC(の営利子会社BBC Worldwide)、ITV、Channel4というイギリスの地上波テレビの強者連合が共同で設立準備を進めていた番組ネット配信のジョイントベンチャーProject Kangarooに、独禁法に触れる疑いがあるとして当局が調査に乗り出したという話は何度かこの…

「融合」時代のテレビ・ビジネス(後編)

前編では、デジタル化による「融合」が進む中でテレビ・ビジネスを取り囲む環境が大きく変わってきているということを書きました。一方ではテレビ番組をパソコンや携帯、ゲーム機など他のプラットフォームに展開していこうという動きがあり、他方ではテレビ…

「融合」時代のテレビ・ビジネス(前編)

昨年の秋にデジタル化がもたらす「融合」(Digital Convergence)への対応をゲーム業界の立場から分析したエントリーを2本書きました(1、2)。その時に本当はもう1本、融合時代のテレビのあり方についても書きたかったのですが、だらだらしているうちに数…

週刊東洋経済の特集記事

今週号の週刊東洋経済に出ていた日本のテレビ・メディア業界の特集が面白かったので紹介します。「テレビ・新聞陥落!」と題された記事です。週刊 東洋経済 2009年 1/31号 [雑誌]東洋経済新報社 2009-01-26売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Too…

CES,ネット対応テレビと「イノベーションのジレンマ」

いろいろな報道で取り上げられている通り、今月ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show (CES)では家電メーカー各社がこぞって「ネット対応テレビ」を売り物にしていました(例えばWSJの記事)。アメリカでもテレビとネットの距離を縮める取り組み…

米Yahooへのサプライズ提案

アメリカのYahooは、昨年来マイクロソフトへの身売りやGoogleとの提携話がうまく進まず、ついには2007年にCEOに復帰した創業者のJerry Yangが再退任するなど混迷を続けています(順調な業績を上げているYahoo Japanとは対照的です)。そんな米Yahooにひとつ…

任天堂の動画配信

昨年末に、任天堂が電通と組んで来春からWii上で動画コンテンツのブロードバンド配信を始めると発表しました(任天堂のプレス・リリースはこちら)。ネットに接続して「Wiiショッピングチャンネル」から無料で入手できる「Wiiの間チャンネル」をダウンロード…

ネット配信のキーワードは「OPQR」

この1年もオンライン・ビデオの世界にはいろいろなことが起きました。このブログではアメリカとイギリスの状況を中心にそんな動きを紹介してきましたが、その中で映像のネット配信をビジネスとして成立させるために必要な要素としていくつかのキーワードが…

HuluのCEO・Jason Kilarのインタビュー

Online Media Dailyのサイトに、HuluのCEO・Jason Kilarのインタビューが出ていました。Kilarのことは以前にも書いたことがありますが(こちら)、純粋なインタビューというのは読んだことがありませんでした。興味深かった点をまとめてみます。まず、オンラ…

BBCがデジタル時代に描くビジョン-2

少し間が空いてしまいましたが、先日の「BBCのデジタルビジョン」に関する話の続きです。前回取り上げたように、BBCがデジタル時代に向けた戦略としてまず打ち出したのは「コンテンツのマルチ・プラットフォーム対応」戦略で、それが具体化したサービスがiPl…

ソニーがネット動画配信サービスの「branco」を打ち切りへ

ソニーは今年の3月に日本でパソコン向けの無料ネット動画配信サービス「branco(ブランコ)」を立ち上げましたが、2009年1月30日でサービスを終了することになったそうです。brancoを運営しているソニーマーケティングによる告知はこちらです。そこでは次…

日テレと吉本がHuluでもネット配信開始

ひと月ほど前のエントリーで日テレと吉本、電通が共同でJoostを使ってアメリカ国内に向けたコンテンツのネット配信を始めたという記事を書きましたが、同じメンバーが今度はHuluを通じた配信に乗り出しました。日テレのプレスリリースはこちらです。それによ…

バンダイがYoutube上でアニメを多言語配信

日経新聞に、バンダイがYoutube上でアニメの多言語配信に乗り出すという記事が出ていました。海外でのキャラクター商品の販売に結び付けるのが狙いで、まずは自社が権利を持っている「たまごっち」を多言語で配信(日本語と英語の音声に加えて独・仏・スペイ…

Kangarooが抱える課題

前回のエントリーで紹介したように、イギリスで立ち上げの準備が進められている番組のネット配信プラットフォーム「Project Kangaroo」に対して当局から「あまりに独占的な力を持ちすぎて競争を阻害する」という裁定が下りました。これに対してイギリス国内…

Kangarooに降りかかったさらなる難題

企業間の自由な競争を妨げる恐れがあるとして当局からの調査が入っていたイギリスの地上波テレビ局連合(BBC, ITV, Channel 4)によるネット配信プラットフォームProject Kangaroo (仮称)ですが、イギリスの競争委員会(Competition Commission)が結論を出しま…

ネット動画と長尺CMの「まとめ視聴」

Ad Ageに、Huluによる広告実験についての記事が載っていました。Huluは、番組の冒頭に加えて本編の途中に数回30秒のスポットを流すというのを広告の基本パターンとしています。でも一部のコンテンツでは、この基本パターンの他に「2分程度の長尺CMを冒頭に…

IBMのリポート・シリーズ

僕が昨日紹介したIBMの調査結果に特別の注目を払っているのは、それがこれまでIBMグループのコンサルティング部門であるIBM Global Business Servicesによって出版されてきたメディア・エンターテインメント業界に関する一連のリポートの後に続くものだった…

IBMのデジタルメディア調査

つい最近、IBMがデジタル・メディアについての面白い調査結果を発表しました。Hollywood ReporterやMediaPostなどでも紹介されていることから、アメリカのメディア・エンターテインメント業界で一定の注目を集めていると言えそうです。IBMの英文プレス・リリ…

Hulu国際版のターゲット国は

最近のHollywood Reporterの記事に、NBC Universal Internationalの社長Pete Smithがロンドンで行われたカンファレンスで話した内容が紹介されていました。それによると、Huluの国際版立ち上げを計画している国はドイツ、イギリス、フランス、そして日本だそ…